中退や既卒となる前には就職活動についてよく考えるべき
既卒での就職は想像以上に大変だと感じました
色々なところで耳にすることだと思いますし、個人差(経歴や地域、考え方など)が当然大きいですが、私は既卒での就職は新卒とは比べものにならないくらい遥かに難しいと感じました。
家業を継ぐ・自分で起業するといった選択肢は考えておらず、一般企業に正社員として就職したいと考えている方は、既卒となって行う就職活動の大変さをしっかりと調べた上で、既卒や中退となるかどうか決めるべきです。
キャリアカウンセラーの方々に話を聞きました
私は、大学院を中退する場合の就職に関して、多くの方に相談に乗っていただきました。
私が相談した相手は、大学やハローワークのキャリアカウンセラーです。
相談期間は、定期的に長期間だったり、1回1時間だけだったりと色々ですが、延べ10人ほどの方とお話させて頂きました。
そこから分かった既卒者の就職について、中退を考えている方などが知っておいて損はないと感じたことをまとめてみます。
新卒主義の日本では既卒の就職は大変です
「中退をするのであれば、就職は妥協しなければならない」ということは、相談したキャリアカウンセラーが口を揃えてお話されていました。
試しに、あなたが就職したいと思う企業ないし大手や優良企業のホームページにある、採用情報を見てみてください。多くの場合、次のようになっています。
・採用情報のページを見ても既卒・第二新卒向けの情報は一切記載されていない
・第二新卒の方向けのページが用意されていると思い進んだら、たった一言「募集していません」との記載
失礼な言い方ですが、大学の偏差値の高い低いに関わらず、新卒であれば大手企業でも“受験資格”は与えられます。ですが既卒者の場合、「既卒・第二新卒の方は募集していません」という企業には“受験資格”すら与えられません。
大手企業や優良企業は、わざわざ既卒者まで手を広げなくても、向こうから若い優秀な新卒者が勝手に集まってくるためです。
カウンセラーの方々に、大学院を中退してしまったら大手・優良企業に入るのは難しいのか、といったニュアンスで質問してみました。その質問に対する前向きな回答は、必ず以下の2つでした。
「今の時代は、転職という手がありますから。」
「・・・親戚にコネなどはありませんか?」
「大学卒業者は高学歴」は昔の話です
質問サイトで、大学既卒の就職に関するものを見ていると、「大学を出ているのだから十分だ」といった回答がたまに見られます。
ですが、この考えは今の時代には通用しません。
wikipediaの『進学率』のページに、日本の高等教育機関への進学率が表になってまとめられています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/進学率
この表の大学進学率を見てみますと、1990年には25%に満たなかったのに対し、2009年には50%を超えています。今の時代は、2人に1人が大学に進学しています。
ただでさえ新卒主義なのに、20年前と比べて、現在はおよそ2倍の割合で毎年新卒者が生まれているのです。
想像以上の妥協が必要になるかもしれません
私が実際に色々と求人を見ていて感じたのは、「中退者の場合、『ある程度の妥協』ではなく、『かなりの妥協』が必要になる」ということです。
私にとっての『ある程度の妥協』とは「大手や有名企業でなくても、独自の技術力・長所を持った中小企業の正社員」であり、『かなりの妥協』とは「いつ潰れてもおかしくないような会社や、長時間労働が待っているいわゆるブラック会社の正社員」です。
「求人倍率が上昇、景気回復の兆し」とニュースで取り上げられることがありますが、こういった言葉にも注意が必要です。「魅力的な企業の求人数が増えている」とは限らないからです。
ただ単にハローワークに行き求人検索して「中退しても何とかなりそうだな」と判断するのではなく、求人に並ぶ企業についてよく調べて検討されることをおすすめします。
就職したい地域によって、求人状況が大きく変わってきます。そのため、インターネットで情報を探すのではなく、実際に就職を考えている地域のハローワークなどに行き、その地域の中退者の就職活動を調べてみた上で判断されるべきだと思います。