『うつからの脱出』(下園壮太)のレビューとおすすめな読み進め方

以前、うつ病患者本人が読むのに、最も適した本は、下園壮太先生の『うつからの脱出』だと感じた、と書きました。

うつ病患者にお勧めする本「うつからの脱出」

この本は、専門用語をほとんど使わずに、平易な文章で書かれています。
そのため、うつで文字を読むのがしんどくなった状態でも、かなりスムーズに読み進めることができました。

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全部で200ページ弱の本ですが、うつ病になりなかなか頭に入って来なくなった私には、どうしても長く感じてしまいました。
読書の体力も落ちてしまっていたようです。
私のように、うつ病になって頭が回らなくなった、という経験をされている方も多いのではないでしょうか。

プチ認知療法の具体例は、60ページを過ぎた第4章で出てきます。
本当は本の頭から全て読むのが良いですが、具体的なプチ認知療法の説明に入る前に読むのを止めてしまっては、もったいないと思います。

そこで、まずは本書の大まかな内容を説明し、それから「最初に読むときにおすすめな読み進め方」をご紹介します。
目的は、「本を頭から読むのに比べて、半分くらいの労力で重要な部分を網羅する」ことです。
注意しなければならないのは、プチ認知療法を始めるのは、回復期を過ぎてリハビリ期に入ってから、ということです。
詳しくは、23ページに書かれています。

第1章 うつ状態とは
第2章 これまでの認知療法で失敗するわけ
第3章 プチ認知療法を始める前に知っておくべきこと
第4章 使えるプチ認知療法
第5章 うつ状態が長引いている人へ
第6章 支えるカウンセラーへ

第1章では、うつに関して平易な言葉で説明がなされています。
特に「4.うつからの回復の特徴」が重要だと思います。
・うつには波(良い日と悪い日)がある
・波を起こしながら、徐々に良くなっていく
プチ認知療法を行う際には、このことを良く意識することが大事なようです。

第2章では、物事の考え方や捉え方を、無理に変えようとすると、かえって辛くなる、ということがまとめられています。
第3章は、いわゆる「プチ認知療法の『取扱説明書』」のようなものです。
新しく家電製品を買ったときに、説明書なしに最初は触ってみたい、という方は、先にザッと第4章を読んで、第3章に戻ってみる、というのも良いかもしれません。

第4章は、プチ認知療法の具体的な方法が、90ページほどに渡って書かれています。
本書の半分がこの第4章ですので、非常に長く感じられます。
そのため、「1ページずつ噛みしめて読む」というよりも、「4章全体をサラっと読み進め、気に入った部分に折り目を付けていく」ようにした方が良いと思います。

第5章は、うつが長引いている人向けのような題名ですが、どんな方でも読んでおくことをお勧めします。

第6章は、第3者向け、といった面が強い内容ですので、余裕が出てから読む、で良いと思います。

本書の内容は、大体こんな感じです。
最後に、重要な所をピックアップして『うつからの脱出』を読み進める順番をご紹介します。

4ページで終わる「はじめに」は読んでおいたほうが良いと思います。
第1章も、一通り読んでおいたほうが良さそうです。特に、上記で書きました、4を意識されることをお勧めします。
その後は、「まずは『プチ認知療法』とはどんな方法なのかを知る」ために、4章を一通り読むのが良いと思います。
そして、「おわりに」へ進みます。ここには、プチ認知療法を実行していく上で重要なことが端的にまとまっています。

どうも本書が合わないと感じた方は、他の本や情報を探してみるのが良いかもしれません。
また、読み飛ばした部分は、余裕が出て来てから読もう、と考えることをおすすめします。

追記:下園壮太先生が販売している、高額なDVDを薦めるサイトが見られるようになりましたが、私はおすすめしません。
ネット上でDVDが絶賛されている理由ですが、「売れた場合、紹介者にたくさんのお金が入るから」です。

きれいなサイトで魅力的な言葉が並んでいても、惑わされないようご注意ください。

以下の記事にも少し書きましたが、うつ病に関する情報は、インターネットではなく書籍から集めることをおすすめします。

うつ病の方に本当に見てほしいサイト

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