BATIC国際会計検定Subject1を受験した感想や勉強法

1年ほど前になりますが、BATIC(国際会計検定)のSubject1のみ受験しました。

いつもは受験後に手応えのあった勉強法などを書いているのですが、結果が芳しくなかったので書いていませんでした。
実際、320点以上のAccountant Levelを目指していたのですが、結果は269点(Bookkeeper Level)でした。

今年リベンジ受験をしようと思ったのと、ネットで調べてもあまり情報が出てこなかったので、実際に試験を受けて感じた事などをまとめておこうと思います。
Subject2で高得点を狙う方(Subject1は簡単な通過点だという方)には役に立たないと思いますが、私と同様にまずは320点以上のAccountant Levelが目標という方に、参考になればと思います。

ちなみに、私は以下の状況で、試験当日を迎えました。
・日商簿記2級に合格(最低限の簿記知識あり)
・TOEIC600点前後(英語には自信なし・・・)
・BATICの勉強時間は10時間程度

あと10時間くらい問題演習の時間を費やせば、320点は十分越えられたと思います。

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Subject1の概要

受験データ

BATICの公式サイトに、受験者データが記載されています。

2015年度の場合、実受験者2,918人の称号取得者数は、以下のようになったそうです。
・Bookkeeper:906人
・Accountant:1,315人
・Accounting Manager:318人
・Controller:43人
(200点未満の称号無は、336人と思われる)

計算してみると、Subject1受験者の6割弱は、スコア320以上のアカウンタントレベルを取っていることになります。

Subject1も決して甘くない

6割近くの受験者が320点以上取っていると聞くと、簡単な試験のような印象を受けます。
日商簿記3級も、合格率が高い回で5割を超える程度ですし。

ところが、この検定の平均点は決して高くありません。
スコア認定書と一緒に送られてきた資料に、受験回の平均点は「298.9点」と載っていました。

Subject1は通過点で本番はSubject2だ、という受験者も多くいると思います。
そういう方が平均点を大きく上げたはずですが、その割に平均点は低いですよね。

ギリギリで320点を超えた人も多いと思います。
400点満点で320点を越えなければならないので、1つのミスも致命的になる検定です。

試験当日の様子

私が受験した会場(商工会議所)では、20人ほどの受験者が居ました。
そのうち半数は、私と同様にSubject1のみの受験でした。

当日の午後、同じ会場でeco検定が行われましたが、そちらは200人くらい入る大きな部屋が用意されていました。

年齢層は、20代くらいとみられる方が半分で、残り半分は30代以上といった感じでした。
若い方のほとんどは、Subject1のみの受験でした。

当日の試験官は1人で、滞りなく進みました。
Subject1の試験時間は1時間30分ですが、途中退出された方は一人もいませんでした。

10時から説明や問題用紙配布が行われますので、試験開始は10時15分頃から、終了は11時45分頃になるようです。
12時前まで拘束されると考えておいた方が良いです。

解答用紙は、冊子のような形になっています。
1枚目の厚めの紙はマークシートで、オモテに受験者情報、ウラに1~30のマーク問題を書くようになっています。
2枚目以降がいわゆる記述問題の答案部分で、こちらは手作業で丸付けをするようです。

勉強方法

参考書について

公式テキストと公式問題集で間違いありません。
320点以上を取るのが目標の方は、この2冊をしっかり勉強すれば間違いなく取れます。
「Subject1、絶対に400点満点を取りたい!」といった方でない限り、他の参考書を検討する必要はありません。

高く付いてしまいますが、公式テキストと問題集の両方が必須です。
公式テキストだけでは試験本番で出題されるような問題の練習ができませんし、問題集は問題編がすべて英語かつ解答編の説明が簡潔過ぎるためです。

TACから過去問題集も発売されていますが・・・私的には3冊7,500円はちょっと出せないです。
買っておくに越したことはありませんが、問題演習は公式問題集だけで十分だと思います。

・・・というのが、1回だけ受けた私の感想でしたが、1年後に2回目を受けた私は「過去問は絶対に購入すべき!」という考えに変わりました。後半(問題番号31~38)にて、ほとんど同じ問題が出題されたためです。

公式問題集に付いている模擬試験とは違う出題傾向でしたが、過去問を解いたことのある人にとっては「かなり楽な」検定なのかもしれません。
Subject2に進むための条件が、Subject1で80%以上の得点を取るという「かなり高めのボーダーライン」なことから、過去問さえ解けていれば320点は超えるようになっているのでしょうか。

繰り返しますが、問題集の模擬試験とは実際の中身が違っていたため、過去問は必ず見ておいてください。
2回目の受験本番に、1回目の受験から過去問を買っていれば、と強く後悔しました。

公式テキストについて

ページ数は150ページ強で、例題の説明スペースが大きく確保されているため、勉強時間はそこまで掛からないと思います。

この検定を受験するほとんどの方が、日商簿記3級以上の知識をお持ちだと思います。
その場合、簿記の内容的に真新しいことはほとんど出てこない(初出だとすれば、財務会計:ROE等くらいでしょうか)ので、すぐに読み終わるはずです。
私は、2時間程度でとりあえず読み終わりました。

一通り読んでみて、「これは覚えるのに少し時間が掛かりそうだな」と思う英単語と意味を、小さな紙に書き出しておくのが良いと思います。
巻末に索引が付いていますが、いちいち引くのは面倒ですので。

私の場合、
Land(土地)
などは、すんなり頭に入りましたが、
Inventory(棚卸資産)
Depreciation expense(減価償却費)
等は、問題に単語が出てきたときに、パッと訳出することができませんでした。

上のように、覚えづらそうな英単語を20個くらい書き出しました。
そこまで意識しなくても、問題演習をしていれば、自然と覚えられるのではないかと思います。

公式テキストを2,3時間で読み終え、出題範囲が把握できたら、後は公式問題集です。

問題演習について

問題集は、公式テキストに対応したチャプター別の問題編(約120ページ・解答は別)と、模擬試験1回分が収録されています。

チャプター別問題編が基本で、模擬試験が応用。
基本の組み合わせで応用が解ける、といった印象です。

ですので、チャプター別問題編の解き方が理解できれば、模擬試験も解けるようになります。
本の最初から問題を解いていく(解答編を読んでも分からなければ公式テキストの該当部分を読む)と、すんなり模擬試験演習に入れるはずです。

あとは、素早く確実に点が取れるよう、問題演習を繰り返すだけです。

試験本番の難易度について

実際の検定の難易度ですが、問題集の「チャプター別の問題よりややこしく、模擬試験より分量が少し多い」と感じました。

詳しく言いますと、
・チャプター別の問題だけ解けても太刀打ちできない
・模擬試験を90分で解けても、本番は時間が足りない(模擬試験は75分で解けるようにしておきたい)
という印象です。

つまり、模擬試験が75分で解ければ、本番でも320点以上取れると思います。

・・・ここまでが、1回目を受けた後の感想です。
この後に過去問を解いておけば、何も恐れることはありません。
解答の見直しが十分できるくらい、時間にも余裕が生まれるはずです。

Subject1は難しくない

もし、試験当日に目標点レベルの実力が付かなかったとしても、当日は出席することを強くおすすめします。
BATICでは、試験問題を持ち帰ることができるだけでなく、模範解答を後日郵送してもらえるためです。

Subject1の受験体験記が全くと言って良いほど見つからなかったので、私が受験前に知りたかったことをまとめてみました。
ですが、2回目を受けた今は、「過去問さえ解いていれば簡単な試験だから、情報が見つからなかったのかな」と思います。

Subject1だけでは就職等のアピールには物足りないとは思いますが、「日商簿記2級を取った、けれど次のステップアップに1級は重たいな、もう少し手軽な資格勉強は無いか」という方には、ちょうど良い内容だと感じました。
何より、日商簿記2級までの知識を使って問題を解けるというところで、勉強していて楽しかった検定でした。

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