親御さんに読んで頂きたい、私が少人数の小学校に通って辛かった思い出 その2
私が少人数の小学校に通っていたころの体験談の続きです。
こちらから来られた方は、まず前回の記事からお読み頂けると嬉しいです。
親御さんに読んで頂きたい、私が少人数の小学校に通って辛かった思い出 その1
4.大人の目線から感じることと、子が感じていることの大きな差
田舎というのは、「平和・みんな温かい」というイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。
事実、私の周辺では、大人同士の関係はとても良好でした。
ところが、それは子どもの社会とは全く関係ありません。
「前の学校よりも温かい人が多いね」
そう信じている親に、辛い・いじめがあると訴えても、全く実感が沸いていないようでした。
これが、とても気持ち悪かったです。
辛い生活を送っている子どもがいるということが、親には全く見えていません。
まったく「綻び」が見えないので、誰に頼っても無駄だ、と子どもながらに思っていました。
保護者と一緒に行う清掃活動などが頻繁にありましたが、そのときはみんな「良い子」を演じます。
そういった子どもたちは賢いのです。
授業中はとても平和でした。目の前には大人がいますので。
監視者の大人が居なくなった休憩時間に、本性を現します。
いじめが表面化したときは厳しく叱ってくれた担任の先生ですら、水面下で日常的にいじめが行われていることは気づいていなかったように思います。
私にとって、みんなでサッカーをすることは苦痛でしかなく、先輩のいいなりでした。
ところが、この姿を大人が見ているとどうでしょうか?
「全校生徒・全学年みんなが混ざって、楽しそうに仲良くサッカーをしている」
大人の目には、このようにしか映っていなかったように感じます。
5.担任の先生が変わり、ひどくなったイジメ
いじめがひどくなったのは、先生の中で最も体育会系で、厳しくも優しく接してくれていた担任の先生が、転勤になってからでした。
新しく入ってきた女性の先生は、いじめられ泣いている生徒の方を強く責めたのです。「なんで泣いてばかりなの!男の子でしょ!?」と・・・。
前の先生がいた時は、日々いじめはひっそりと行われていたものの、表面化されたときは授業を潰してまで厳しく叱ってくれました。
新しい先生は、いじめについて見て見ぬフリを貫いていました。
そして、三者懇談のとき、保護者に向かって次のように言ったのです。
「○○君は、授業中に泣かないでください。授業が進まず、周りの子どもにも迷惑ですから」
その子と親が、周りの親子に謝っているところを見て、何とも言えない気持ちになりました。
そのころの私は、正義感は完全に影を潜めていました。
自分が強くいじめられないよう、ひっそりと過ごすようになりました。
先生がたった一人入れ替わっただけで、学校生活が大きく変化しました。
6.子どもの私には、狭い世界が恐ろしかった
田舎は狭いです。「逃げ道」がありません。
外を歩けば知っている人に会います。
先生も生徒同士も、全員の顔と名前を知っています。
大人数にまぎれることはできません。
同級生ではいじめがあり、上級生は偉そうに振舞いました。
一度、休日のイベントをどうしても休みたいと親に訴えたことがあります。
土日だけはせめて顔を合わさず穏やかに過ごしたかった。
けれども親は許してくれませんでした。町内の人みんなが集まるからです。
大人たちによって「逃げ道」を全て封鎖されていく感覚でした。
以前の私は、横(同級生)にも上(上級生や先生)にも恵まれていました。
大人数の小学校には、色々な逃げ道・選択肢がありました。たくさんいる先生の中で最も信頼できる先生に相談すれば良い、嫌な生徒には近づかなければ良いだけ。
狭い世界に入れられた私は、どこを見ていれば良いのか分からなくなってしまいました。気持ちが追い詰められ、周りの全てが敵のように思っていました。
7.できない生徒に合わせた授業
良くも悪くも、授業のペースは「全員がある程度分かるまで」となっていました。田舎の学校で、周りに塾などがない環境だったことも大きいかもしれません。
私の場合、転入当初の複式学級は、3,4年生が一緒の教室でした。
3年生の授業をしている間は4年生が待っていて(少しだけ私語をしたり、問題を解いていたり)、キリの良いところで今度は4年生の番、という状況でしたが、不思議と授業の進度に遅れはありませんでした。
私は、数学は1番できる子(といっても6人の中で)でしたので、困ったときには先生代わりをやらされていました。
学年途中での転校で、前の学校と教科書が違ったため、テストに「習っていません」と書いたことがあります。
その答案を読んだ担任の先生が、放課後1対1で教えてくださったのは良い思い出です。
先生次第という部分が大きいですが、少人数は学習指導が細かく行き渡る、というのは事実のように感じました。
まとめに続きます
ここまで、私の体験談を詳細に書いてきました。
最後に、これまで書いてきた体験談から、私がお伝えしたいことを以下にまとめました。
親御さんに読んで頂きたい、私が少人数の小学校に通って辛かった思い出 まとめ